ヨーグルト菌の種類と効果|6つの主要菌株を専門医が比較解説

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ヨーグルト菌の種類と効果——LG21・ガセリ菌SP株・R-1・BB536・ロイテリ菌・シロタ株の6つの主要菌株を比較解説する記事のアイキャッチ画像

監修・執筆:消化器内科専門医(消化器病学会専門医・消化器内視鏡学会専門医・総合内科専門医/卒後20年)
最終更新日:2026年5月5日

「ヨーグルトは体にいい」と言われますが、スーパーの棚に並ぶ商品ラベルをよく見ると、それぞれ違う菌の名前が書かれています。LG21、ガセリ菌SP株、R-1、ビフィズス菌BB536、ロイテリ菌、シロタ株——同じ「ヨーグルト」でも、含まれる菌株(きんかぶ)によって報告されている効果はまったく異なります。

消化器内科の外来でも「先生、ヨーグルトはどれを選べばいいですか?」と聞かれることが増えました。結論から言えば、ヨーグルトは「何を食べるか」ではなく「どの菌を選ぶか」で決まる時代になっています。

この記事では卒後20年の消化器内科専門医として、主要6菌株について、企業の宣伝ではなく実際に発表されている臨床試験(ランダム化比較試験など)の結果に基づき、何が分かっていて何がまだ分かっていないのかを率直に整理します。

この記事でわかること

  • ヨーグルトの菌は大きく3つのグループに分けられる
  • 主要6菌株それぞれの効果と、その根拠の強さ
  • 胃の不調・便秘・内臓脂肪・免疫など、目的別の選び方
  • 「効果なし」と感じる人がいる理由と、効果が出るまでの目安期間
目次

ヨーグルトの菌は3つのグループに分けられる

ヨーグルトに含まれる菌は「発酵に使われる乳酸菌」「大腸の主役ビフィズス菌」「特定の機能を狙った機能性菌株」の3つのグループに分類されることを示すインフォグラフィック

まず、ヨーグルトに使われている菌は大きく3グループに分かれます。この区別を知らないと商品選びで迷子になります。

① 発酵に使われる「乳酸菌」

国際食品規格(Codex規格 CXS 243-2003)では、ヨーグルトはブルガリア菌(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)とサーモフィルス菌(Streptococcus thermophilus)を必須スターターとする発酵乳と定義されています。一方、日本の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」では、ヨーグルトという用語は使われず「発酵乳」として扱われ、使用菌種の特定はありません。

これらの菌はヨーグルトの酸味とテクスチャーを作る「発酵の主役」です。ただし、ヨーグルトに使われるこれらの乳酸菌はヒトの腸内に定着しないことが研究で明らかになっています。とはいえ、菌体や代謝産物が腸に何らかの作用をもたらす可能性は研究されており、ヨーグルトの整腸作用が完全に否定されるわけではありません。

② 大腸の主役「ビフィズス菌」

ビフィズス菌(Bifidobacterium属)は、厳密には「乳酸菌」とは別物です。ビフィズス菌は乳酸菌と異なり大量の酢酸を産生する点と、酸素のあるところでは生育できない偏性嫌気性菌である点に大きな特徴があります。生息場所も主にヒトや動物の腸管内に限られています。

「乳酸菌入り」と書かれた商品にビフィズス菌が入っていないことは普通にあります。大腸の便通を整えたいならビフィズス菌入りを選ぶ、というのが基本の考え方です。

③ 特定の機能を狙った「機能性菌株」

LG21、ガセリ菌SP株、R-1、ロイテリ菌、シロタ株などがここに入ります。重要なのは、同じ「ガセリ菌」でも株(strain)が違えば別物だという事実です。Lactobacillus gasseriという種の中に、SBT2055(雪印メグミルク)、OLL2716(明治のLG21株)など複数の株があり、それぞれ研究されている効果が異なります。商品ラベルの株名(アルファベットと数字の組み合わせ)を見るのが選び方の基本です。

主要6菌株を目的別に比較

主要6菌株(LG21・ガセリ菌SP株・R-1・BB536・ロイテリ菌・シロタ株)それぞれの目的別の効果を一覧で示した比較インフォグラフィック
菌株代表的な商品主な報告こんな人に
LG21乳酸菌
(L. gasseri OLL2716)
明治プロビオヨーグルトLG21機能性ディスペプシア症状(食後膨満感など)の軽減胃もたれ・胃の不快感が続く方
ガセリ菌SP株
(L. gasseri SBT2055)
恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト腹部内臓脂肪面積の減少(肥満傾向の方)内臓脂肪・体重が気になる方
R-1乳酸菌
(L. bulgaricus OLL1073R-1)
明治プロビオヨーグルトR-1高齢者でNK細胞活性増強・風邪罹患リスク低下体調を崩しやすい方、高齢者
ビフィズス菌BB536
(B. longum BB536)
森永ビヒダスヨーグルト高齢者の慢性便秘症の改善便秘がち(特に高齢者)
ロイテリ菌
(L. reuteri DSM 17938など)
ロイテリ菌入り商品・タブレット歯周病・歯肉炎指標の改善歯周病・口腔ケアが気になる方
シロタ株
(L. paracasei strain Shirota)
ヤクルト便秘症状の改善(便回数・便性状)慢性的な便秘の方

※「主な報告」は後述する一次論文で示されたもので、すべての人に同じ効果が出ることを保証するものではありません。

LG21乳酸菌|機能性ディスペプシア・胃の不調

LG21乳酸菌の3つの特徴——胃酸への耐性、機能性ディスペプシア(FD)症状の軽減、ピロリ菌除菌治療の代わりにはならない補助的な位置づけを示す解説図

正式名称:Lactobacillus gasseri OLL2716(明治)。約2,500種類以上の乳酸菌ライブラリーから、胃酸への耐性が高く胃の中でも増殖できる特性に注目して選定された菌株です。

ピロリ菌陽性者31名がLG21含有ヨーグルトを8週間摂取したところ、13C-尿素呼気試験と血清ペプシノーゲンで有意な改善が報告されています(Sakamoto et al., J Antimicrob Chemother 2001)。また、ピロリ菌感染を伴う機能性ディスペプシア(FD)患者131名(平均48.9歳)を対象とした多施設共同RCTでは、12週間の摂取後、LG21群で食後膨満感のVASスコアが有意に低下し、膨満感が高度な患者数もプラセボ群より有意に少なかったと報告されています(Takagi et al., Gastroenterol Res Pract 2016)。ただし、同試験では13C-UBTやH. pylori便中抗原に有意差はなく、ピロリ菌そのものの抑制効果は示されませんでした。

なお、LG21は逆流性食道炎(GERD)そのものに直接効果があると断定できる十分な質と量のRCTはまだ揃っていません。機能性ディスペプシアと逆流性食道炎は症状が似ますが医学的には別の疾患です。胸やけが続く場合は、自己判断でヨーグルトに頼らず、まずは医療機関で内視鏡検査を含めた評価を受けてください(胃カメラを楽に受けるコツもご参考に)。

また、LG21はあくまで補助的な選択肢で、ピロリ菌の除菌治療の代わりにはなりません。除菌後も胃がんリスクはゼロにならず定期的な内視鏡検査が推奨されます(ピロリ菌除菌後の胃がんリスク)。

ガセリ菌SP株|内臓脂肪・体重管理

ガセリ菌SP株(SBT2055)の効果——12週間のRCTで内臓脂肪面積4.6%減・皮下脂肪3.3%減を示し、肥満傾向の方が対象であることを示す解説図

正式名称:Lactobacillus gasseri SBT2055(雪印メグミルク、通称SP株)。「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」シリーズ(機能性表示食品)などに含まれます。なお、同じ菌を使用した「ナチュレ 恵 megumi」は特定保健用食品(トクホ)で、腸内環境の改善が許可表示となっています(届出区分は商品ごとに異なります)。

肥満傾向のある成人87名を対象とした多施設共同・二重盲検RCTで、ガセリ菌SP株を含む発酵乳200g/日を12週間摂取した群で、CT測定による腹部内臓脂肪面積がベースラインから平均4.6%、皮下脂肪面積が3.3%減少したことが報告されています(Kadooka et al., Eur J Clin Nutr 2010)。続く2013年の研究では、より低濃度でも内臓脂肪面積が約8%減少しています(Kadooka et al., Br J Nutr 2013)。これらを根拠に、機能性表示食品「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」では「肥満気味の方の内臓脂肪を減らす機能」が届け出られています。

ただし、これらは「BMIや内臓脂肪面積が高めの方」を対象にした12週間の試験であり、健康な方や短期間で同様の変化が出るわけではありません。食事・運動の見直しと組み合わせるのが本筋で、ヨーグルトはあくまで補助的な位置づけです。

R-1乳酸菌|免疫サポート

R-1乳酸菌(OLL1073R-1)の免疫指標への影響(NK細胞活性上昇、唾液IgAの変化)と、961名の大規模RCTではインフルエンザ予防効果が示されなかった限界を示す解説図

正式名称:Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1(明治)。R-1株は、139株のブルガリア菌の中から、菌体外多糖(EPS)産生量とインターフェロン-γ誘導活性を基準に選抜された菌株です。

健常高齢者を対象としたランダム化比較試験で、R-1乳酸菌で発酵したヨーグルトの摂取により、NK細胞活性が低値の被験者群でNK活性が有意に上昇し、風邪罹患リスクも低下したことが報告されています(Makino et al., Br J Nutr 2010)。また、高齢者施設の入居者96名を対象とした二重盲検RCTでは、R-1ヨーグルト100g/日を12週間摂取した群で、唾液中のインフルエンザA型H3N2亜型に結合するIgAレベルに有意な変化があったと報告されています(p=0.001、Yamamoto et al., Acta Odontol Scand 2019)。

ただし、誤解しないでいただきたい点があります。女性医療従事者961名を対象とした大規模RCTでは、R-1ヨーグルトの摂取によるインフルエンザ感染予防効果は有意に示されませんでした(Kinoshita et al., Food Funct 2019)。免疫指標の変化と実際の感染症発症の減少は、必ずしも一致しないのです。感染予防の主役はあくまで手洗い・睡眠・ワクチン。R-1は「+α」の位置づけと考えてください。

ビフィズス菌BB536|便通改善(特に高齢者)

ビフィズス菌BB536の3つの特徴——1969年に乳児の腸管から発見された歴史、高齢者の慢性便秘症の改善が報告されたTakeda 2022 RCT、食物繊維との組み合わせによる相乗効果を示す解説図

正式名称:Bifidobacterium longum BB536(森永)。1969年に乳児の腸管内から分離された菌株で、半世紀以上にわたって研究・利用されてきました。

順天堂大学の竹田努准教授らの研究グループが、高齢の慢性便秘症患者を対象としたBB536のランダム化二重盲検プラセボ対照試験を本邦で初めて実施し、便秘症状および上腹部症状の改善を報告しています(Am J Gastroenterol 2022年10月オンライン公開、UMIN000033031、DOI: 10.14309/ajg.0000000000002028)。エビデンスを伴って高齢者の便秘に対する有用性を示した点で意義のある研究です。

便秘の根本対策としては、ヨーグルトだけでなく食物繊維と水分摂取が基本です(便秘の総合対策)。発酵性食物繊維と組み合わせるとビフィズス菌のエサが供給され、相乗効果が期待できます(発酵性食物繊維と短鎖脂肪酸)。

ロイテリ菌|口腔環境・歯周病ケア

ロイテリ菌の3つのポイント——歯周炎指標の改善(Teughels 2013)、ヨーグルトよりタブレット形式が臨床試験と整合、歯科治療の代わりにはならない補助的な位置づけを示す解説図

正式名称:Lactobacillus reuteri(代表株:DSM 17938、ATCC PTA 5289)。「歯周病・口臭ケア」の文脈で注目されている菌株です。

慢性歯周炎患者30名を対象とした12週間のランダム化プラセボ対照試験で、スケーリング・ルートプレーニング(SRP)に加えてロイテリ菌のロゼンジを使用した群で、臨床指標と細菌学的指標に改善が報告されています(Teughels et al., J Clin Periodontol 2013)。

ロイテリ菌は歯周病・口腔ケアの分野で複数のRCTが報告されている菌で、歯周病ケアを目的とするなら、ヨーグルトよりも口の中で溶かすタブレット形式のほうが、これらの臨床試験で使われた摂取形態に近いです。ただし歯科治療(スケーリング等)を置き換えるものではなく、補助的な位置づけです。

シロタ株|便通改善・整腸

シロタ株(L. paracasei strain Shirota)の3つのポイント——1930年に代田稔博士が強化培養に成功、Koebnick 2003 70名RCTで便秘症状の改善、菌数の多さより続けやすさを優先という考え方を示す解説図

正式名称:Lacticaseibacillus paracasei strain Shirota(旧名Lactobacillus casei strain Shirota、ヤクルト)。1930年に医学博士の代田稔(しろたみのる)氏が、胃液や胆汁などの消化液に負けず生きて腸に到達する乳酸菌として強化培養に成功した菌株です。

慢性便秘の症状を持つ70名を対象とした4週間の二重盲検RCTで、シロタ株含有飲料65mL/日の摂取群では、便秘症状および便性状(便の硬さ・形状)の改善を経験した割合がプラセボ群より有意に高かったと報告されています(Koebnick et al., Can J Gastroenterol 2003)。

ヤクルトは菌数別に複数のラインナップがあります。なお、Koebnick 2003の試験で使われた摂取量(65mL/日に乳酸菌シロタ株約65億個)は、現在の日本のNewヤクルト(65mLに200億個)よりやや少ない量です。ただし「菌数が多いほど効果が高い」と確立されているわけではないため、商品選びは続けやすさを優先するのも一つの考え方です。

効果的な食べ方と「効果なし」と感じる理由

ヨーグルトの効果的な食べ方の3つのポイント——タイミングは自由(朝昼夜の有意差なし)、最低2〜4週間の継続(100〜200g/日)、シンバイオティクス(菌+菌のエサの組み合わせで相乗効果)を示す解説図

朝・夜・温度・量の正解は?

「夜が良い」「朝が良い」は諸説ありますが、生理学的に決定的な差を示すRCTは見当たりません。ヤクルト本社公式Q&Aでも「朝昼夜いつ飲んでも効果は変わらない」と回答されています。外来でお伝えしているのは「食べる時間帯より、毎日続けられる時間帯を選んでください」です。

各臨床試験の摂取量は研究ごとに異なり、ヨーグルトでは100〜200g/日、ドリンクタイプでは65〜112mL/日が標準的です。判定には最低2〜4週間が必要で、上記紹介したRCTの多くは4〜12週間で評価されています。

「効果なし」と感じる4つの理由

  • 菌株と目的のミスマッチ:便秘改善目的でLG21を選んでいないか?
  • 腸内細菌叢の個人差:プロバイオティクスは「効く人と効かない人がいる」もの
  • 評価期間が短すぎる:1〜2週間で判断するのは時期尚早
  • 生活習慣の土台:食物繊維・水分・運動・睡眠が崩れた状態ではヨーグルトだけで改善は困難(睡眠と腸の関係)

シンバイオティクス|相乗効果が期待できる組み合わせ

菌(プロバイオティクス)と菌のエサ(プレバイオティクス)を組み合わせる「シンバイオティクス」は、1995年にGibsonらにより提唱された概念です。ヨーグルトに、バナナ・きな粉・はちみつ(オリゴ糖)、もち麦・オートミール(発酵性食物繊維)、キウイ・りんご(水溶性食物繊維)などを加えるのがおすすめです。

こんな方は事前に医師に相談を

ヨーグルトを摂取する前に医師に相談すべき5つのケース——IBD活動期、免疫不全、乳製品アレルギーや乳糖不耐症、長引く胸やけ、警告症状(血便・体重減少・夜間下痢)を示す注意喚起のインフォグラフィック
  • 潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)で活動期の方:主治医に相談を(UCの治療指針改訂)
  • 免疫抑制治療中・重度の免疫不全のある方:稀ですがプロバイオティクス由来の菌血症の症例が報告されており、慎重な判断が必要です(国内では大阪大学・宮城県立こども病院などからの報告あり。詳細は記事末の参考文献を参照)。
  • 乳製品アレルギーや乳糖不耐症の方:豆乳ヨーグルトや乳糖を分解した商品を検討
  • 胸やけ・胃もたれが2週間以上続く方:ヨーグルトに頼る前に医療機関での評価を
  • 便に血が混じる・体重減少・夜間下痢などの「警告症状」がある方:即座に医療機関を受診してください

まとめ|ヨーグルトは「菌株」で選ぶ時代

ヨーグルト記事のまとめ——菌株で選ぶ・目的別に選ぶ・最低2〜4週間の継続・生活習慣の土台が大事・警告症状時は医療機関を受診の5箇条と、ブログのキャッチコピー「症状がないうちに腸を守る」を示すまとめ図
  • ヨーグルトの効果は、含まれる「菌株」によって大きく異なる
  • 同じ「ガセリ菌」でも、SBT2055(雪印)とOLL2716(LG21、明治)は別物
  • 胃の不調ならLG21、内臓脂肪ならガセリ菌SP株、便秘ならBB536やシロタ株、口腔ケアならロイテリ菌、というように目的別に選ぶ
  • 効果の判定には最低2〜4週間、できれば3か月の継続を
  • 「ヨーグルトだけ」ではなく食物繊維・水分・運動・睡眠と組み合わせるのが本筋
  • 胸やけ・血便・体重減少などの警告症状があるときは、ヨーグルトより先に医療機関へ

「症状がないうちに腸を守る」——日々の診療で大切にしているメッセージです。ヨーグルトはその一つの選択肢にすぎませんが、菌株を理解して使えば、確かに役立つ選択肢の一つになります。

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本記事の著者は、消化器病学会専門医・消化器内視鏡学会専門医・総合内科専門医の3つの専門医資格を持ち、卒後20年の臨床経験を有する現役の消化器内科医です。

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よくある質問(FAQ)

Q1. LG21とR-1は何が違うのですか?

LG21はLactobacillus gasseri OLL2716株で機能性ディスペプシアなど胃の不調が研究の中心、R-1はLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1株で免疫指標への影響が研究の中心です。種(species)の段階から異なる別の菌株です。

Q2. ヨーグルトはいつ食べるのが一番効果的ですか?

朝・昼・夜のどれが優れているかを示す決定的な研究はありません。「毎日続けられる時間帯」を選ぶことが、長期的には最も効果的です。

Q3. 効果が出るまでどのくらいかかりますか?

多くの臨床試験は4〜12週間で評価されています。最低でも2〜4週間は続けてから判断するのが現実的です。

Q4. ヨーグルトが合わない場合のサインは?

食べると毎回お腹が張る・下痢する・気分が悪くなる場合は、乳糖不耐症や乳製品アレルギーの可能性があります。豆乳ヨーグルトや乳糖を分解した商品を試すか、医師に相談してください。

Q5. 機能性表示食品とトクホはどちらが信頼できますか?

特定保健用食品(トクホ)は健康増進法に基づき食品ごとに国(消費者庁)が個別審査・許可するのに対し、機能性表示食品は事業者が自ら科学的根拠を消費者庁長官に届け出る制度で、国による個別審査はありません。同じ菌株でも届け出区分は商品によって異なります。商品選びでは、メーカーや学会が公表している研究データを参考にすると判断しやすくなります。

参考文献(本記事で実際に確認した一次・公的情報)

※本記事の各記述は、以下の一次論文・学会・公的機関・メーカー公式情報に基づいています。

論文(一次情報)

  1. Sakamoto I, et al. Suppressive effect of Lactobacillus gasseri OLL 2716 (LG21) on Helicobacter pylori infection in humans. J Antimicrob Chemother. 2001. PubMed
  2. Takagi A, et al. Effects of Lactobacillus gasseri OLL2716 on Helicobacter pylori-Associated Dyspepsia: A Multicenter Randomized Double-Blind Controlled Trial. Gastroenterol Res Pract. 2016. PMC4958476
  3. Kadooka Y, et al. Regulation of abdominal adiposity by probiotics (Lactobacillus gasseri SBT2055) in adults with obese tendencies. Eur J Clin Nutr. 2010. PubMed
  4. Kadooka Y, et al. Effect of Lactobacillus gasseri SBT2055 in fermented milk on abdominal adiposity in adults. Br J Nutr. 2013. PubMed
  5. Yamamoto Y, et al. Effect of ingesting yogurt fermented with Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1 on influenza virus-bound salivary IgA in elderly residents of nursing homes: a randomized controlled trial. Acta Odontol Scand. 2019. PubMed
  6. Makino S, et al. Reducing the risk of infection in the elderly by dietary intake of yoghurt fermented with Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1. Br J Nutr. 2010. PubMed
  7. Kinoshita T, et al. The effects of OLL1073R-1 yogurt intake on influenza incidence and immunological markers among women healthcare workers: a randomized controlled trial. Food Funct. 2019. PubMed
  8. Takeda T, et al. Usefulness of Bifidobacterium longum BB536 in Elderly Individuals With Chronic Constipation: A Randomized Controlled Trial. Am J Gastroenterol. 2022. (DOI: 10.14309/ajg.0000000000002028) 順天堂大学プレスリリース
  9. Teughels W, et al. Clinical and microbiological effects of Lactobacillus reuteri probiotics in the treatment of chronic periodontitis. J Clin Periodontol. 2013. PMC3908359
  10. Koebnick C, et al. Probiotic beverage containing Lactobacillus casei Shirota improves gastrointestinal symptoms in patients with chronic constipation. Can J Gastroenterol. 2003. PubMed
  11. Sata T, et al. Clostridium butyricum Bacteremia Associated with Probiotic Use, Japan. Emerg Infect Dis. 2024. PMC10977840 / 大阪大学プレスリリース

学会・公的情報

  1. 腸内細菌学会 FAQ「ビフィズス菌と乳酸菌の違いを教えてください」 bifidus-fund.jp
  2. 腸内細菌学会 用語集「シンバイオティクス」 bifidus-fund.jp
  3. 佐々木泰子. 生乳由来乳酸菌に関する研究. 化学と生物(日本農芸化学会). katosei.jsbba.or.jp
  4. FAO公式 Codex Alimentarius「Standard for Fermented Milks (CXS 243-2003)」 fao.org (PDF)
  5. 一般社団法人Jミルク「ビフィズス菌」 j-milk.jp
  6. 消費者庁「機能性表示食品について」 caa.go.jp
  7. 消費者庁「特定保健用食品について」 caa.go.jp

メーカー公式・関連資料

  1. 明治公式「ヨーグルトとは?」 meiji.co.jp
  2. 明治公式「LG21乳酸菌とは」 meiji.co.jp
  3. 森永乳業公式「ビフィズス菌BB536」 bifidus.jp
  4. 雪印メグミルク公式「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」 megumi-yg.com
  5. ヤクルト本社「乳酸菌 シロタ株とは?」 yakult.co.jp
  6. ヤクルト中央研究所「菌の図鑑:ラクトバチルス デルブリッキィ 亜種 ブルガリクス」 institute.yakult.co.jp

※本記事は2026年5月時点で確認した情報に基づいています。医学情報は更新されるため、最新の情報は各学会・公的機関のガイドラインをご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診療判断は主治医にご相談ください。

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この記事を書いた人

消化器内科医(卒後20年)
市中病院で内視鏡・炎症性腸疾患・消化器がん化学療法を専門に診療
消化器病学会専門医/消化器内視鏡学会専門医/総合内科専門医

むずかしい医学を、やさしい言葉で

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