胃カメラ後の喉の痛みはいつまで?治らないときの目安と、喉の麻酔が苦しい・パニックになる理由を消化器内科医が解説

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胃カメラ後の喉の痛みはいつまで?喉の麻酔が苦しい・パニックになる理由も消化器内科医が解説

胃カメラが無事に終わって、ほっとしたのもつかの間。

「つばを飲み込むと、喉がヒリヒリする」
「喉に何か引っかかっているような違和感がある」
「翌日になっても痛いけど、これって大丈夫?」

胃カメラのあと、喉の痛みや違和感を感じる方はめずらしくありません。また、検査の前にする「喉の麻酔」で、息が詰まるような感じがして苦しかった、パニックになりそうだったという声もよく聞きます。

先に結論をお伝えします。

胃カメラ後の喉の痛みは、多くの場合、翌日から2日ほどで軽くなっていきます。 喉の麻酔で「息ができない」と感じるのも、多くは麻酔で喉の感覚がにぶくなっているためで、空気の通り道がふさがっているわけではありません。

この記事では、喉が痛くなる理由、いつまで続くかの目安、早く楽になるコツ、そして「これは病院に連絡したほうがいい」というサインを、消化器内科医の立場から整理します。

この記事の結論(先に知りたい方へ)

  • 胃カメラ後の喉の痛みは、カメラが喉を通るときのこすれなどが原因。多くは翌日〜2日ほどで軽くなる
  • 検査後は、喉の麻酔が切れるまで(目安1時間前後)飲んだり食べたりしない。最初は水を少し飲んで、むせないか確かめる
  • 当日は熱いもの・辛いもの・硬いもの・お酒を控えると、痛みが長引きにくい
  • 喉の麻酔で「息が詰まる」と感じるのは、感覚がにぶくなるため。空気の通り道はふさがっていない
  • 3日以上たっても痛みが強くなる、飲み込めない、息苦しい、熱が出る、胸や背中が強く痛むときは、検査を受けた施設に連絡を

胃カメラ全体の流れや、苦しさを減らす方法を知りたい方は、先にこちらをどうぞ。
→ 胃カメラは本当に苦しい?消化器内科医が教える「楽に受けるコツ」と当日の流れ


目次

結論:喉の痛みは「翌日〜2日ほど」で軽くなることがほとんど

まずは、いまの状態がどこに当てはまるかを確認してください。

いまの状態考え方
つばを飲むとヒリヒリする、喉がイガイガするよくある経過。様子を見てよいことがほとんど
喉に何か引っかかっている・腫れぼったい感じ(検査当日)麻酔が切れていく途中の違和感のことが多い
3日以上たっても痛い、だんだん強くなる検査を受けた施設に連絡して相談
飲み込めない、息苦しい、首が腫れる、胸や背中が強く痛む、熱が出るすぐに施設へ連絡。夜間や休日なら救急外来へ

「痛いけれど、日ごとに少しずつ楽になっている」のであれば、多くは心配のいらない経過です。反対に、日がたつほど悪くなっていく痛みは、様子を見ずに相談してください。


胃カメラ後に喉が痛くなる・違和感が残る理由

カメラが喉の狭いところを通るときのこすれ

胃カメラは、口(または鼻)から入って、喉を通り、食道から胃へと進みます。喉から食道への入り口は、もともと狭くなっている場所です。

カメラはやわらかく細いものですが、ここを通るときに喉の粘膜が少しこすれることがあります。これが、検査後のヒリヒリした痛みのいちばんの原因です。

検査中の「オエッ」や、飲み込む動き

検査中にオエッとなったり、思わずつばを飲み込もうとしたりすると、喉の筋肉に力が入ります。力が入った状態でカメラが動くと、粘膜への刺激が強くなり、あとから痛みが出やすくなります。

喉の麻酔が切れていく途中の違和感

検査の直後は、喉の麻酔がまだ残っています。麻酔が切れていく途中には、「喉が腫れぼったい」「何かが引っかかっている」「つかえる感じ」といった違和感が出ることがあります。

これは麻酔による感覚の変化で、多くは麻酔が切れるとともに消えていきます。

「生検をしたから喉が痛い」わけではありません

検査中に、胃や食道の組織を少し採って調べる「生検」をすることがあります。「組織を採ったから喉が痛いのでは」と心配される方もいますが、胃や食道で生検をしても、それが原因で喉が痛くなることはありません。喉の痛みは、あくまでカメラが喉を通るときのこすれなどによるものです。

ただし、生検やポリープ切除をした日は、喉とは別に、食事やお酒、痛み止めの使い方に注意が必要です(後ほど説明します)。

口からと鼻からで、痛みの出方は違う?

鼻からの胃カメラは、カメラが舌の付け根に触れにくいため、オエッとなりにくい傾向があります。そのぶん喉への刺激が少なく、検査後の喉の痛みも軽く済む方が多い印象です。一方で、鼻の奥の痛みや鼻血が出ることがあります。

どちらが楽かは人によって違います。くわしくはこちらで比べています。
→ 胃カメラは鼻から・口からどっちが楽?鼻からできない人の特徴と痛くないコツを消化器内科医が解説


喉の痛みはいつまで?経過の目安

あくまで目安ですが、多くの方は次のような経過をたどります。

  • 検査当日:麻酔が切れたあとに、ヒリヒリ・イガイガした痛みが出てくる
  • 翌日:つばを飲むと少し痛む程度なら、よくある経過
  • 2〜3日後:ほとんどの方は、気にならない程度まで軽くなる

3日以上たっても痛みが変わらない、またはだんだん強くなっている場合は、「そのうち治るだろう」と放っておかず、検査を受けた施設に一度連絡してください。風邪など別の原因が重なっていることもありますし、まれに喉や食道の傷が深いこともあるからです。

検査後に咳が出る・止まらないときは?

胃カメラのあと、咳が出ることがあります。よくある理由は次の2つです。

  • 検査中に、つばが少し気管のほうに入った
  • 喉の麻酔が残っているうちに飲んだり食べたりして、むせた

喉の麻酔が効いている間は、飲み込む力や、気管に入りかけたものを押し戻す反射が弱くなっています。そのため、麻酔が切れる前の飲食は、むせや誤嚥(ごえん:食べ物や飲み物が気管に入ること)の原因になります。

軽い咳がすぐにおさまるなら、多くは心配ありません。ただし、咳とともに熱が出る、痰がからむ、息苦しいといった症状がある場合は、誤嚥による肺炎の可能性もあります。とくにご高齢の方は、早めに施設に連絡してください。


喉の痛みを早く和らげる5つのコツ

1. 麻酔が切れるまで、飲んだり食べたりしない

検査後は、喉の麻酔が切れるまで(目安として1時間前後)飲食を控えます。時間は施設によって違うので、検査後に受けた説明に従ってください。

時間がたったら、いきなり食事をするのではなく、まず水を少しだけ飲んで、むせないか確かめてから食べはじめましょう。

2. 当日はやわらかく、刺激の少ないものを

喉が痛い日は、次のようなものを選ぶと楽です。

  • 食べやすいもの:おかゆ、うどん、豆腐、茶わん蒸し、ヨーグルト、スープ
  • 控えたいもの:熱すぎるもの、辛いもの、酸っぱいもの、せんべいやフランスパンのような硬いもの、揚げ物

熱いものは少し冷ましてから、ゆっくり飲み込みましょう。

3. うがいと加湿で、喉を乾かさない

喉が乾くと、痛みを強く感じやすくなります。こまめに水分をとり、うがいをする、部屋を加湿する、マスクをして寝る、といった工夫が役に立ちます。のど飴をなめるのもよいでしょう。

4. 当日のお酒とタバコは控える

お酒やタバコは、喉の粘膜を刺激します。検査当日は控えましょう。生検やポリープ切除をした日は、出血を防ぐためにもお酒は控えて、再開のタイミングは施設の指示に従ってください。

5. 市販の薬を使うときは、ひと声確認を

喉の痛みには、トローチやうがい薬を使ってもかまいません。

一方、飲み薬の痛み止め(解熱鎮痛薬)の中には、胃を荒らしやすいものがあります。生検をした方、胃潰瘍や胃炎を指摘された方、ほかに飲んでいる薬がある方は、使う前に検査を受けた施設か薬剤師に確認してください。

「なかなか治らない」と感じるとき

喉の違和感が長く続く場合、胃カメラとは別の原因が隠れていることもあります。

  • 逆流性食道炎:胃酸が喉まで上がってきて、喉の違和感やイガイガ、咳の原因になる
  • 風邪などの喉の炎症:検査の時期とたまたま重なっている
  • 声がれが続く:喉頭(声を出すところ)の病気の可能性もあるため、耳鼻咽喉科での確認が必要

逆流性食道炎については、こちらでくわしく解説しています。
→ 【消化器内科医が解説】逆流性食道炎の治し方|症状・原因・薬・食事まで完全ガイド


喉の麻酔が苦しい・パニックになりそう…なぜ?どう乗り切る?

ここからは、検査の前にする「喉の麻酔」のお話です。胃カメラでいちばんつらかったのは、カメラよりも麻酔のほうだった、という方も少なくありません。

喉の麻酔は「ゼリー」と「スプレー」の2種類

胃カメラの喉の麻酔には、主に2つの方法があります。

  • ゼリー:麻酔薬(成分名:リドカイン)が入ったゼリーを、喉の奥に数分間ためておく方法
  • スプレー:麻酔薬を喉に直接吹きかける方法

施設によって、どちらか一方を使うところもあれば、両方を組み合わせるところもあります。

私の勤める病院では、ゼリーとスプレーの両方を使っています。ただし、体の状態がよくないご高齢の方など、ゼリーで誤嚥する危険が高い方には、スプレーだけを使うようにしています。同じ「喉の麻酔」でも、一人ひとりの状態に合わせて方法を選んでいるのです。

「息ができない」「飲み込めない」と感じる理由

ゼリーを喉にためている間に、麻酔がじわじわと効いてきます。すると、

  • 喉が腫れて、ふさがってきたような感じ
  • つばがうまく飲み込めない感じ
  • 喉に何かが詰まっているような感じ

がしてきます。これを「息が詰まる」「このまま息ができなくなるのでは」と感じて、焦ってしまう方が多いのです。

でも、安心してください。麻酔で変わるのは喉の「感覚」です。喉がにぶくなって、自分の喉の状態がわかりにくくなるため、ふさがっているように感じるだけで、空気の通り道は開いています。鼻や口から、いつもどおり息をすることができます。

私の病院では、麻酔をするときに「喉に違和感が生じるのは麻酔の影響なので問題ありませんよ」とお声がけしています。「この感じは麻酔のせいなんだ」とわかっているだけで、焦りはずいぶん小さくなります。

パニックにならないためのコツ

  • 鼻からゆっくり息を吸って、口から長く吐く。呼吸に意識を向けると、気持ちが落ち着きやすくなります
  • 肩と首の力を抜く。体に力が入ると、喉も締まったように感じやすくなります
  • つらいときは、手を挙げるなどして合図する。我慢しすぎる必要はありません
  • 前回つらかった方、息苦しさが苦手な方は、検査の前に伝える。麻酔の方法やタイミングを工夫できることがあります

苦手な方は、鎮静剤や「鼻から」の検査も相談を

喉の麻酔やオエッとなる感じがどうしても苦手な方は、鎮静剤(眠くなる薬)を使って検査を受ける方法があります。うとうとした状態で検査を受けられるため、喉の麻酔のつらさも感じにくくなります。

鎮静剤を使うかどうかの考え方は、こちらで解説しています。
→ 胃カメラの麻酔「あり」「なし」どっち?違い・費用・副作用を医師解説

鎮静剤を使った日は、車の運転ができないなどの注意があります。
→ 鎮静剤はいつ切れる?胃カメラ・大腸カメラ後の運転は何時間後から?一日中眠い・副作用を消化器内科医が解説

「感覚の違和感」と「本当に危ないサイン」の見分け方

喉の麻酔の違和感は、多くは心配のいらないものです。ただし、とてもまれですが、麻酔薬が体に合わず、アレルギーなどの反応が出ることがあります。

次のような症状があるときは、我慢せず、すぐに近くのスタッフに伝えてください。

  • 体にじんましんやかゆみが出る
  • 声がかすれる、ゼーゼー・ヒューヒューという息になる
  • 顔色が悪くなる、冷や汗が出る、気分がひどく悪い
  • めまいがする、手足がしびれる、ドキドキする

また、過去に歯医者さんの麻酔などで具合が悪くなったことがある方は、検査の前に必ず伝えてください。同じ種類の麻酔薬が使われていることがあるためです。


すぐに病院へ連絡したほうがいい症状

胃カメラ後の喉の痛みは、多くは自然に軽くなります。ただし、次のような症状があるときは、様子を見ずに、検査を受けた施設に連絡してください。夜間や休日で連絡がつかないときは、救急外来を受診しましょう。

  • 喉・胸・背中の強い痛み、首が腫れる
  • 飲み込めない、飲み込むと強く痛む
  • 息苦しい
  • 熱が出る、咳や痰が続く
  • 血を吐く、黒い便(タールのような便)が出る(とくに生検やポリープ切除をしたあと)
  • 喉の痛みが日ごとに強くなる

検査を受けた日は、夜間や休日に何かあったときの連絡先を確認しておくと安心です。


【医師の視点】検査室でよく見る光景

検査室で、喉の麻酔のゼリーを含んでいる方の様子を見ていると、途中で急に表情がこわばり、目で「大丈夫ですか?」と訴えてこられることがあります。たいていは、ちょうど麻酔が効いてきて、喉の感覚が変わりはじめたタイミングです。

そんなとき、「喉の違和感は麻酔の影響なので、問題ありませんよ」とお伝えすると、多くの方は肩の力が抜けて、呼吸が落ち着いていきます。「知らない感覚」は怖いけれど、「理由がわかっている感覚」は我慢できるものなのだと、いつも感じます。

検査後の喉の痛みも同じです。「カメラが通ったこすれだから、数日で軽くなる」とわかっていれば、必要以上に不安になることはありません。そのうえで、日ごとに悪くなる・飲み込めない・息苦しいといった「いつもと違う」サインだけは見逃さないでください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 胃カメラのあと、何時間たったら飲んだり食べたりしていいですか?
A. 喉の麻酔が切れるまで、目安として1時間前後は控えます。時間は施設によって違うので、検査後の説明に従ってください。時間がたったら、まず水を少し飲んで、むせないことを確かめてから食事をはじめましょう。

Q2. 翌日も喉が痛いのですが、仕事に行ってもいいですか?
A. 喉の痛みだけで、日ごとに軽くなっているなら、ふだんどおり仕事をしてかまいません。のどを乾かさないよう、こまめに水分をとってください。鎮静剤を使った場合の過ごし方は、施設の指示に従いましょう。

Q3. 喉の痛みが1週間続いています。異常ですか?
A. 胃カメラによる喉の痛みとしては、長めです。風邪や逆流性食道炎など、別の原因が重なっていることもあります。検査を受けた施設か、かかりつけの医師に相談してください。声がれが続く場合は、耳鼻咽喉科での確認もおすすめです。

Q4. 胃カメラで、喉(喉頭がん)も見てもらえますか?
A. 胃カメラは、喉を通るときに、喉の一部(咽頭)も観察します。そのため、喉のがんが胃カメラで見つかることもあります。ただし、声を出す部分(喉頭)をくわしく調べる検査ではありません。声がれや、喉のつかえ感が続くなど、喉の症状が気になる方は、耳鼻咽喉科で専用の検査を受けてください。

Q5. 喉の麻酔なしで胃カメラを受けることはできますか?
A. 鼻からの胃カメラでも、口からの胃カメラでも、喉の麻酔は必ずします。 喉の麻酔をしないと、カメラが喉を通るときの刺激が強く、オエッとなりやすくなるためです。

鼻からの胃カメラでは、鼻の麻酔に加えて、喉にも口からの場合と同じくらい麻酔をします。鼻の通り道が狭くてカメラが入らなかったときは、その場で口からの検査に切り替えるため、それを見越しておく必要があるからです。

喉の麻酔のつらさが心配な方は、鎮静剤(眠くなる薬)を使うと感じにくくなります。予約のときに相談してみてください。

例外として、麻酔薬(キシロカイン)のアレルギーがあるとわかっている方は、喉の麻酔をせず、鎮静剤を使って検査をします。アレルギーがある方や、過去に歯医者さんの麻酔などで具合が悪くなったことがある方は、必ず事前に伝えてください。

Q6. 次の胃カメラで、喉を痛めないためにできることはありますか?
A. 検査中は、肩と首の力を抜き、つばは飲み込まずに口の端から流すのがコツです。「前回、喉が痛かった」「麻酔がつらかった」ことを事前に伝えておくと、鎮静剤や鼻からの検査など、楽に受けられる方法を一緒に考えてもらえます。


まとめ

  • 胃カメラ後の喉の痛みは、カメラが喉を通るときのこすれなどが原因。多くは翌日〜2日ほどで軽くなります
  • 検査後は、喉の麻酔が切れるまで飲食を控え、まず水を少し飲んでむせないか確かめましょう
  • 当日は、やわらかく刺激の少ない食事にして、お酒やタバコは控えましょう
  • 喉の麻酔で「息が詰まる」と感じるのは、感覚がにぶくなるため。空気の通り道はふさがっていません
  • 3日以上たっても悪くなる、飲み込めない、息苦しい、熱が出る、胸や背中が強く痛むときは、検査を受けた施設に連絡してください

喉の痛みや麻酔のつらさは、胃カメラが「もう受けたくない」と思われてしまう大きな理由のひとつです。でも、理由とコツを知っておくだけで、次の検査はずっと楽になります。つらかった経験は、遠慮なく検査の前に伝えてください。


参考文献・情報源

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この記事を書いた人

消化器内科医(卒後20年)
市中病院で内視鏡・炎症性腸疾患・消化器がん化学療法を専門に診療
消化器病学会専門医/消化器内視鏡学会専門医/総合内科専門医

むずかしい医学を、やさしい言葉で

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