大腸がんは「サイレントキラー」
大腸がんは、日本人のがん死亡数において女性1位・男性2位を占める、非常に身近ながんです。
にもかかわらず、多くの方が検診を先延ばしにしています。その最大の理由が「症状がないから大丈夫だろう」という思い込みです。
しかし、大腸がんの怖さはまさにここにあります。初期の段階では、ほぼ無症状なのです。血便が出たり、お腹が痛くなったりしてから病院を受診すると、すでにかなり進行しているケースが少なくありません。
消化器内科医として日々患者さんを診ている私が、声を大にして伝えたいことがあります。
「症状がないから大丈夫」ではなく、「症状がないうちに調べる」が正解です。
大腸がんのリスクを上げる食習慣3選
大腸がんは、生活習慣と深く関係しています。特に食事の影響は大きく、以下の習慣がリスクを高めることがわかっています。

① 赤身肉・加工肉の食べすぎ
ソーセージ・ハム・ベーコンなどの加工肉や、牛肉・豚肉などの赤身肉を多く摂取する食生活は、大腸がんのリスクを高めます。これはWHO(世界保健機関)も認めている科学的根拠のある関連です。
毎日食べる習慣がある方は、週に数回に抑えることを意識してみてください。
② 食物繊維の不足
野菜・豆・海藻・きのこなどに多く含まれる食物繊維は、腸内環境を整え、大腸がんのリスクを下げる効果があります。現代の食生活では食物繊維が不足しがちです。意識して摂取することが重要です。
③ 飲酒・喫煙
アルコールと喫煙は、大腸がんのリスクを明確に高めます。毎日お酒を飲む習慣がある方は、週に2日以上の休肝日を設けることをおすすめします。
今日からできる大腸がん予防法3選
リスクを下げるために、今日からすぐに実践できることがあります。

✅ 食物繊維を毎日意識して摂る
1日の目標摂取量は成人で21g以上です。野菜・豆類・海藻・きのこ・全粒穀物などを意識的に取り入れましょう。食事の最初に野菜を食べる「ベジファースト」も効果的です。
✅ 適度な運動を週3回以上習慣にする
運動は腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を促進し、腸内環境を整えます。激しい運動でなくても、30分のウォーキングを週3回以上続けるだけで大腸がんリスクの低下が期待できます。
✅ 40歳を過ぎたら便潜血検査を毎年受ける
便潜血検査は、痛くない・怖くない・安価な検査です。自治体の健康診断や人間ドックで受けることができます。陽性の場合は大腸内視鏡検査で精密検査を行いますが、早期に発見できれば治癒率は非常に高いのです。
「なんとなく不安」という方こそ、まず便潜血検査から始めてください。
まとめ:大腸がんは「防げる・治せる」がん
大腸がんは怖いがんですが、早期発見できればほぼ治せるがんでもあります。生活習慣の見直しと定期検診、この2つが最強の予防策です。
以下のポイントを今日から意識してみてください。
- 赤身肉・加工肉・飲酒・喫煙を控える
- 食物繊維(野菜・豆・海藻)を毎日意識して摂る
- 週3回以上の適度な運動を習慣にする
- 40歳を過ぎたら便潜血検査を毎年受ける
あなたの腸、ちゃんとケアできていますか?
この記事を書いた人:消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・総合内科専門医。大腸がん・胃がん・潰瘍性大腸炎・クローン病を専門とする消化器内科医。Instagram(@gut_dr_jp)でも健康情報を発信中。

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