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背景
潰瘍性大腸炎(UC)における生物学的製剤による薬物連続投与は、ますます複雑になってきている。二次治療の成績をhead to headで比較した研究はほとんどない。
本研究では実際の外来患者を対象に、UCにおいてα4β7インテグリン阻害剤vedolizumab(VDZ)の後に抗TNF-α療法を行うか、抗TNFの後にVDZを行うか、より好ましい臨床結果を得られるかを評価するものである。
方法
2013年5月から2020年8月の間に、第一選択の抗TNF(アダリムマブまたはインフリキシマブ)またはVDZに曝露され、その後代替クラスに切り替えたUC患者を、10病院の患者データベースをレビューして同定した。データは、患者記録を用いてレトロスペクティブに収集された。
ベースラインの人口統計学、疾患活動性指標、生化学マーカー、内視鏡メイヨースコア、大腸切除率、治療継続率、緊急入院利用複合エンドポイント(UHUC)率を52週間にわたり検討した。
結果
52週の治療継続率はVDZ群の方が抗TNF群よりも高かった。
(VDZ: 71/81, 89%, 抗TNF群15/34, 44%; p=0.0001)
52週目の非大腸切除率もVDZ群の方が高かった。
(VDZ:77/80; 96%, 抗TNF 26/32, 81%, p=0.009)
52週目のUHUC生存率もVDZ群の方が高かった。
(VDZ 68/84, 81% , 抗TNF 20/34, 59%, p=0.002)
52週目のステロイドフリー臨床寛解(CFCR)率も同様であった。
(VDZ:22/34, 65%, 抗TNF 4/20, 20%、p=0.001)
結論
抗TNF製剤の二次治療と比較し、VDZ二次治療群は52週目の治療継続率、UHUC生存率、非大腸切除率、52週目のCFCRが有意に高いことが示された。これらのデータは、VDZが抗TNF投与後の二次治療として、UCに有効な生物学的製剤であることを示唆している。臨床的に重要なアウトカムに対する生物学的順序の効果を強調するものである。
感想
近年、IBDには様々な新薬が出てきましたが、それぞれのpositioningがされることなく、次の新薬が出てきている状況です。
そのような中、この論文は抗TNFとVDZのいずれを先に投与した方が予後が良いのかを検証しました。
今後は他の新薬に対してもこのような検討した論文が出てほしいものです。
論文
Miller C, et al; Comparative effectiveness of a second-line biologic in patients with ulcerative colitis: vedolizumab followed by an anti-TNF versus anti-TNF followed by vedolizumab.
Frontline Gastroenterol. 2022 Jan 7;13(5):392-401. doi: 10.1136/flgastro-2021-101906. eCollection 2022.
PMID: 36051959
最後までお読みいただきありがとうございました!
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