「デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか」書評
「デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか」（PHPビジネス新書）は、デンマーク在住の著者・針貝有佳氏が、北欧の小国がいかにして世界有数のビジネス大国へと成長したかを探る一冊です。
デンマークの驚くべき実績
デンマークは「幸福度調査」でトップ3常連国であるだけでなく、2022年・2023年と2年連続で「国際競争力1位」に選ばれています。
埼玉県よりも人口の少ないこの北欧の国が、なぜこれほどの成功を収めているのでしょうか。
高生産性と早期退社の両立
著者の取材によると、デンマークのビジネスパーソンは驚くべき生産性の高さを誇ります。
DXを活用し、圧倒的なスピードでプロジェクトをこなす一方で、多くの人が16時には退社し、家族との時間を大切にしています。
- 平日は4時に帰宅
- 金曜日は2時や3時に帰宅することも
- 仕事が残っても、家族の時間を優先し、夜遅くや翌朝早くに対応
デンマーク流ワークライフバランス
デンマーク人にとって、ワークライフバランスとは「ライフを充実させるためにワークを頑張る」という考え方です。
決してライフを犠牲にしてワークを優先することはありません。
信頼ベースのマネジメント
デンマークの職場では、上司が細かく進捗を確認することはありません。
これは時間の無駄であり、部下への不信感を示すことになるからです。
失敗した際も、叱責ではなく共に原因を分析し、再発防止を考えるアプローチを取ります。
キャリアと転職に対する柔軟な姿勢
デンマーク人にとって、仕事は単なる収入源ではなく、社会貢献の場であり、自己のアイデンティティを示す場所です。
そのため、自身の能力や志向に合わない職場では積極的に転職を考えます。
日本への適用を考える
デンマークと日本では歴史や文化背景が異なるため、デンマークの働き方をそのまま導入することは難しいでしょう。
しかし、日本の長時間労働文化を改善するヒントとして、デンマークの事例から学べる点は多いはずです。
まとめ
本書は、高い生産性とワークライフバランスを両立させるデンマークの働き方から、日本のビジネスパーソンが学べる貴重な洞察を提供しています。
「ムリしない、させない」時間の使い方と、信頼に基づく職場の人間関係づくりは、日本企業も参考にすべき重要なポイントと言えるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました！
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