3mm以下のポリープに対するcold snare polypectomyとcold forceps polypectomyの治療成績

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背景


大腸内視鏡検査では、残存腫瘍組織がインターバル癌に関与する可能性があるため、完全切除を最適化することが重要である。米国のMulti-Society Task Forceは、微小(5mm以下)および小型(6-9mm)のポリープはcold snare polypectomy(CSP)により切除することを推奨している。しかし、3mm以下のポリープに対して、CSPがcold forceps polypectomy(CFP)に対して有意な利点を保持しているかどうかは、あまり明らかではない。

方法


本研究は、3mm以下の非有茎性ポリープに対するCFPとCSPを評価する単一施設の前向き非劣性無作為化臨床試験である。何らかの適応で大腸内視鏡検査を受けた18歳以上の患者を対象とした。各大腸内視鏡検査において、ポリープはCFPまたはCSPによる切除にブロックランダム化された。ポリープ切除後,ポリープ切除縁から生検を 2 個採取した.主要な非劣性アウトカムは、マージン生検で残存ポリープがないことで定義される完全切除率であった。

結果


合計179名の患者が組み入れられた。年齢、性別、人種/民族、および処置の適応はほぼ同じであった。3mm以下のポリープは279個確認され、CSP群138個、CFP群141個であった。平均ポリペクトミー時間は,CFP と比較して CSP のほうが長かったが(42.3 秒対 23.2 秒,P<0.001),CFP で切除したポリープは CSP と比較して 2回以上で 切除した割合が高かった(15.6 対 3.6%,P<0.001).マージン生検陽性は各コホート2例で、完全切除率は両群とも98.3%であった。完全切除率にコホート間の有意差はなかった(完全切除率の差は0.057%、95%信頼区間。-4.30%~4.53%),CFPのCSPに対する非劣性が示された。

結論


CFPはCSPと比較して、3mm以下の非有茎類ポリープの完全切除において非劣性であった。CSPはCFPと比較して有意に多くの時間を要した.CFPは3mm以下のポリープの切除において、CSPの代替法として許容されると考えるべきである。

感想


確かに3mm以下の病変ではCFPで十分なようです。しかし実際のCS時には、初めは3mm以下のポリープが見つかりCFPで切除したとしても、その後に下流腸管に10mm弱のポリープが見つかるもよくあります。そのような場合に新たにスネアを出すのはデバイスを2個使うことになり、コストパフォーマンスが良くないと思います。このような可能性を考慮すると初めからスネアだけを使う方が良いと思います。

論文

Wei M, et al. Randomized Controlled Trial Investigating Cold Snare and Forceps Polypectomy Among Small POLYPs in Rates of Complete Resection: The TINYPOLYP Trial. The American Journal of Gastroenterology: August 2022 – Volume 117 – Issue 8 – p 1305-1310, doi: 10.14309/ajg.0000000000001799

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この記事を書いた人

卒後15年超の消化器内科医です。
卒後は様々な市中病院で研鑽を積み,現在に至ります。

専門は早期がんの内視鏡治療,炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)の診療,消化器がんの化学療法(抗がん剤治療)です。消化器病学会専門医,消化器内視鏡学会専門医,総合内科専門医を所持しています。

このブログでは,一般の方向けの消化器疾患の説明と,消化器レジデント向けの論文の紹介をしています。

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