大腸憩室出血とは?

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目次

はじめに

  • 概要:
    大腸憩室は大腸の壁に形成される小さな袋状の突出部のことです。
    大腸憩室は中年以降になると自然に見られるようになり、高齢者ほど頻度や数が増します。

    憩室自体は無症状ですが、まれにこの憩室から出血を起こすことがあり、これを憩室出血と呼びます。

    出血の程度によってはショック状態(極度の血圧低下)を引き起こす可能性があり、命に危険が及ぶこともあります。
  • 発生率と重要性:
    大腸憩室の保有者における出血の累積率は、1年で0.2%、5年で2%、10年で10%と報告されています​​。

    特に高齢者に多く見られ、再発率も高いとされ、臨床上重要な問題です​​。

    さきほど述べた通り、出血の程度によっては命に危ぶまれるため、この症状についての理解が非常に重要です。
  1. jstage.jst.go.jp – 大腸憩室出血ガイドラインの概要
  2. jstage.jst.go.jp – 大腸憩室出血に対する内視鏡診断と治療
  3. hosp.hyo-med.ac.jp – 憩室(けいしつ)疾患(憩室出血、憩室炎) | みんなの医療ガイド
  4. do-yukai.com – 大腸憩室炎とは?~大腸憩室症について
  5. todai-yobouigaku-dock.jp – 大腸憩室 – 健康コラム | 東京大学病院予防医学センター
  6. msdmanuals.com – 大腸憩室症 – 01. 消化管疾患

大腸憩室について

  • 定義:
    大腸憩室は、大腸の壁に形成される小さな袋状の突出部です。憩室自体は無症状ですが、炎症や出血を引き起こすことがあります。

    大腸憩室病は、これらの憩室に関連する症状や合併症が発生した状態を指します​​。

  • 原因とリスクファクター:
    憩室の形成には明確な原因は特定されていませんが、食生活、運動不足、肥満、喫煙、特定の薬剤の使用が関連していると考えられています。

    特に肥満や喫煙は、憩室炎のリスクを増加させる可能性があります​​​​。

  • 症状:
    憩室出血の主な症状は鮮血便です。
    腹痛は伴わないことが多いですが、大量出血による貧血やショック状態を引き起こすこともあります。
  1. jstage.jst.go.jp – 大腸憩室疾患の現況 ―予防から治療まで―
  2. msdmanuals.com – 大腸憩室症 – 01. 消化管疾患
  3. msdmanuals.com – 大腸の憩室症 – 03. 消化器系の病気 – MSDマニュアル家庭版
  4. tokyo-onaka.com – 大腸憩室症 ①大腸憩室出血
  5. sakaonaika-nishinomiya.com – 大腸憩室出血、虚血性大腸炎
  6. hospital.tottori.tottori.jp – 下血・血便 (大腸がん、大腸憩室)

大腸憩室出血の診断

  • 初期サイン:
    大腸憩室出血の主な初期サインは鮮血便です。この状態は腹痛を伴わないことが多く、突然の大量の出血によって発見されることが一般的です。

    出血が非常に大量である場合にはショック状態を引き起こす可能性もあります​​​​。

  • 診断のための検査:
    大腸憩室出血の診断には、CTや大腸内視鏡検査が用いられます。
    出血の勢いが強い場合では、これらの検査により出血源の同定が可能です。

    特にCTでは患者に負担なく、速やかに検査が行えます。
    一方、大腸内視鏡検査では診断だけでなく、引き続いて治療を行うこともできます。

    ただし出血の勢いが弱い場合にはCTや大腸内視鏡検査でも出血源が同定は困難です。

    なお、大腸憩室出血は大量に出血してもその後に自然に止血してしまうことも多く、このため出血源が特定できないことがしばしばあります。

  • 早期診断の重要性:
    大腸憩室出血は、早期に診断し適切に治療することで重篤な合併症を防ぐことができます。

    特に高齢者や既往症のある患者では、出血による急性貧血やショック状態が生命に影響を与える可能性があります。

    そのため出血した場合には自宅で様子を見ることなく、速やかに、夜間に出血した場合は朝まで待たずに、医療機関を受診することが必要です。

    出血が多い場合には救急車を呼びましょう!

治療

  • 内視鏡治療:
    内視鏡による止血(内視鏡的止血術)が第一選択となります。
    これにはクリップ(洗濯ばさみのようなもの)で挟んで潰す、ゴムバンドで縛るなどの方法があります。

    また、必要に応じて止血剤や輸血の投与が行われることもあります​​​​。

  • 血管塞栓術:
    内視鏡的での止血が困難な場合、足の付け根からカテーテルを挿入し、出血源となっている血管までカテーテルを進め、その血管に塞栓物質(詰めるための物質)を注入して血管を詰める方法です。

  • 手術:
    外科手術は内視鏡的治療が不可能または効果がない場合、重度の出血が繰り返す場合に検討されます。


  • 食事とライフスタイルの変更:
    大腸憩室症の予防には、食生活の改善が重要です。

    特に食物繊維を多く含む食事の摂取が推奨されます。
    また、運動不足、肥満、喫煙はリスクファクターとされています。

    そのため定期的な運動、健康的な体重の維持、禁煙を心がけましょう​​。

まとめ

  • 要点:
    大腸憩室症は、大腸の壁に小さな袋状の突出部が形成される状態です。

    多くはの人は無症状で経過しますが、まれに憩室炎や憩室出血などの合併症が発生することもあります。

    適切な食生活、特に食物繊維の豊富な食品の摂取、定期的な運動、肥満の予防、禁煙がリスク管理に重要です。

    出血した場合の治療は内視鏡的止血術が基本です。
    しかしこれで止血が得られない場合には血管塞栓術や外科的手術が必要になることもあります​​​​​​。

  • 行動の呼びかけ:
    もし大腸憩室出血が起きたと思った場合には、早急に医療期間を受診して下さい。

    夜間に出血した場合には翌朝まで待たず、夜のうちに救急外来を受診して下さい。

    また、予防としての健康的な生活習慣の維持にも注意を払いましょう​​​​​​。​
  1. hosp.hyo-med.ac.jp – 憩室(けいしつ)疾患(憩室出血、憩室炎)
  2. clinic-hatamori.com – 大腸憩室症(憩室炎・憩室出血) の原因は?治療や食事 …

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この記事を書いた人

卒後15年超の消化器内科医です。
卒後は様々な市中病院で研鑽を積み,現在に至ります。

専門は早期がんの内視鏡治療,炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)の診療,消化器がんの化学療法(抗がん剤治療)です。消化器病学会専門医,消化器内視鏡学会専門医,総合内科専門医を所持しています。

このブログでは,一般の方向けの消化器疾患の説明と,消化器レジデント向けの論文の紹介をしています。

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