胃がんの全て:初期症状から予防まで!

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  • 1. はじめに
  • 2. 胃がんとは?
  • 3. 胃がんの主な症状
  • 4. 胃がんの原因とリスクファクター
  • 5. 胃がんの予防方法
  • 6. 胃がんの診断と治療
  • 7. まとめ
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専門医が一般の方にも分かりやすく解説します。

目次

1. はじめに

胃がんは日本でのがん死亡原因の上位に位置する疾患の一つであり、年間約4万2000人が亡くなっています(*1)。早期に発見できればほとんど助かりますが、逆に遠くの臓器に転移している状態(遠隔転移)では救命は困難です(*2)。
この記事では、胃がんの初期症状とその早期発見の重要性について詳しく解説します。

(*1,2: がん情報サービス:https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/5_stomach.html#anchor1)

2. 胃がんとは?

– 胃がんの定義と発生部位

胃の壁はバウムクーヘンのような何層かの構造になっており、胃がんは胃の最も内側の粘膜層から始まる悪性の腫瘍です。これは胃の細胞が異常に成長し、制御不能になった結果として発生します。時間とともにこのがんは胃の壁の他の層や胃の外部の他の部位にも広がります。

(Mindsガイドラインライブラリ:https://minds.jcqhc.or.jp/n/pub/3/pub0030/G0000199/0003)

– 胃がんの進行過程とステージ

胃がんの進行過程:
胃がんは、初期には胃の内部の粘膜層に限定されていますが、時間とともに深く進行し、胃の他の層に広がる可能性があります。さらに進行すると、胃の外部のリンパ節や他の臓器にも広がることがあります。

胃がんのステージ:
胃がんのステージは、がんの深さ、リンパ節転移の数、及びがんが広がった範囲に基づいて分類されます。


ステージI: がんは胃の粘膜層に限局または粘膜層を超えて次の層に広がり始めますが、リンパ節には広がっていません。
ステージII: がんは胃の深い部分に広がり、近くのリンパ節にも広がる可能性があります。
ステージIII: がんは胃のさらに深い部分や多数の近くのリンパ節に広がります。
ステージIV: この最終段階では、がんは胃の外部の臓器や遠くのリンパ節に広がっています。

(がん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/cancer/stomach/treatment.html)

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胃がんのステージは治療の選択と予後の予測に非常に重要です。早期に発見された胃がんは治療の成功率が高くなります。

3. 胃がんの主な症状

胃がんは初期では症状は何もありません。進行した状態でもあまり症状がない場合もあります。
症状としては以下のようなものがあります。


胃がんの症状:

  1. 胃部の痛みや不快感: 胃の中央や上部に痛みや不快感を感じる。
  2. 食欲不振: 一般的な食事量よりも食べる量が少なくなる。
  3. 早い段階での満腹感: 通常よりも少量の食事で満腹感を感じる。
  4. 吐き気や嘔吐: 食事の後や空腹時に吐き気や嘔吐を感じる。
  5. 体重の減少: 明確な理由なく体重が減少する。
  6. 軽度から中度の貧血: 疲れやすくなる、息切れがする、顔色が悪くなる。
  7. 黒い便: 胃や上部消化管の出血により、便がタールのように黒くなる。
  8. 食道や胃の閉塞: がんが食道や胃の出口を塞ぐことで、食べ物や液体の通過が困難になる。
  9. 腹水: 腹部に液体が溜まり、腹部が膨らむ。
  10. 黄疸: 肝臓へのがんの転移や胆道の閉塞により、皮膚や目の白目が黄色くなる。
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これらの症状は他の病気にも共通するものが多いため、必ずしも胃がんを意味するわけではありません。しかしこれらの症状が持続する場合は重大な病気が隠れている可能性があるため、専門医の診察を受けることをお勧めします。

4. 胃がんの原因とリスクファクター

次に胃がんの原因とリスクファクター(危険因子)について説明します。

– ヘリコバクター・ピロリ感染の役割


ヘリコバクター・ピロリは、胃の内部の粘膜に感染する細菌で、長期的な感染は胃の炎症を引き起こします。この慢性炎症は胃がんや胃潰瘍のリスクを高めます。ヘリコバクター・ピロリ感染は胃がんの主要なリスクファクターとして広く認識されています。

– 食生活や生活習慣の影響


  • 塩分の多い食事: 塩分の多い食事は、胃の粘膜にダメージを与える可能性があり、胃がんのリスクを高めると考えられています。
  • 加工食品: 塩漬け、燻製、またはニトロソ化合物を含む食品は、胃がんのリスクを高める可能性があります。
  • アルコールとタバコ: 過度なアルコール摂取や喫煙は、胃がんのリスクを増加させるとされています。

– 遺伝的要因や家族歴


特定の遺伝的変異を持つ人々は、胃がんのリスクが高まる可能性があります。また、家族に胃がんの既往歴がある人は胃がんを発症するリスクが高くなることが示されています。特に、複数の家族構成員が胃がんを発症した場合、家族性の胃がんのリスクが考えられます。

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胃がんのリスクを低減するためには、健康的な食生活を維持し、定期的な健康診断を受けることが重要です。特に、家族歴がある場合やヘリコバクター・ピロリ感染の疑いがある場合は、専門医の診察を受けることをお勧めします。

5. 胃がんの予防方法


1. 健康的な食生活の推奨:
健康的な食生活は、胃がんのリスクを低減する鍵となります。

  • 野菜や果物の摂取: これらは抗酸化物質やビタミンを豊富に含むため、がんのリスクを低減する可能性があります。
  • 塩分の制限: 過度な塩分摂取は胃がんのリスクを高めるとされています。加工食品や塩漬け食品の摂取を控えることが推奨されます。
  • 赤肉や加工肉の摂取を減らす: これらの食品は胃がんのリスクを高める可能性があります。
  • アルコールとタバコを減らす: 過度なアルコール摂取や喫煙は、胃がんのリスクを増加させるとされています。

2. 定期的な健康診断の重要性:
胃がんは初期段階では症状が少ないため、定期的な健康診断により早期発見が可能となります。特に、胃カメラ検査は胃がんの早期発見に非常に有効です。経鼻内視鏡で十分ですので、特にピロリ菌の除菌後の人は、年1回胃カメラ検査を受け続けましょう。

3. ヘリコバクター・ピロリの検査と治療:
ヘリコバクター・ピロリは胃がんの原因の90%以上と言われており、感染の有無を確認する検査が推奨されます。感染が確認された場合、除菌薬により感染を除去することで、胃がんのリスクを低減することができます。

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健康的な生活習慣を維持し、定期的な健康診断を受けることで、胃がんのリスクを低減することができます。

6. 胃がんの診断と治療

– 胃カメラ検査の役割

胃カメラ検査(内視鏡検査)は、胃の内部を直接視覚化することができる診断方法です。この検査により胃の粘膜の変化、潰瘍、腫瘍などの異常を発見することができます。また、疑わしい部位から組織を採取する生検も行うことができ、これによりがんの存在を病理学的に確認することができます。

– 内視鏡治療や手術や化学療法、放射線治療の紹介


  • 内視鏡治療:さきほど胃カメラでの検査について説明しましたが、早期癌で胃の周囲リンパ節に転移がない段階であると判断されれば、お腹を切らずに胃カメラのみで治療をすることもできます。
  • 手術: 胃がんの主要な治療方法の一つで、がんの位置や大きさ、進行度に応じて部分的または全胃切除が行われます。胃の周囲のリンパ節の摘出も同時に行われます。
  • 化学療法: 抗がん剤を使用してがん細胞を攻撃する治療方法です。手術前後の補助療法として、または手術が困難な場合の主治療として行われます。
  • 放射線治療: 一般には放射線を使用してがん細胞を破壊する治療方法です。しかし胃がんの場合はがん自体の治療ではなく、がんからの出血を緩和する目的で使用します。
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胃がんの診断と治療は、がんのステージや患者の年齢や健康状態や併存疾患に応じて異なるため、専門医との相談が必要です。

7. まとめ

– 早期発見の重要性の再強調

胃がんは初期段階では症状が非常に軽微であるか、または全く現れないことが多いです。しかし早期に発見された胃がんは治療の成功率が非常に高く、完治の可能性も大きくなります。定期的な健康診断や胃カメラ検査により、胃がんの早期発見を目指しましょう。

– 健康な生活習慣の継続的な推奨

胃がんのリスクを低減するためには、以下の健康的な生活習慣を維持することが重要です。

  • 野菜や果物を豊富に摂取し、バランスの良い食事を心がける。
  • 塩分や加工食品の摂取を控える。
  • 喫煙や過度なアルコール摂取を避ける。
  • 定期的な運動を取り入れる。
ハシビロー

胃がんは、適切な対応と治療により、予防や早期発見が可能です。健康的な生活習慣を維持し、定期的な健康診断を受けることで、自分自身の健康を守る手助けをしましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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この記事を書いた人

卒後15年超の消化器内科医です。
卒後は様々な市中病院で研鑽を積み,現在に至ります。

専門は早期がんの内視鏡治療,炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)の診療,消化器がんの化学療法(抗がん剤治療)です。消化器病学会専門医,消化器内視鏡学会専門医,総合内科専門医を所持しています。

このブログでは,一般の方向けの消化器疾患の説明と,消化器レジデント向けの論文の紹介をしています。

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